ぎっくり腰の原因・発症のきっかけとは?治し方や応急処置・予防法を紹介
突然、腰にピキッと激しい痛みが走り、動けなくなってしまったのなら、ぎっくり腰かもしれません。
ぎっくり腰は正式には「急性腰痛症」といい、30代から徐々に増加し、40代〜50代でピークに達するといわれていますが、10代後半〜20代前半でも起こることのある身近な症状です。
ちょっとした動作でも起こることがあり、再発を繰り返す人も少なくありません。
「ぎっくり腰ってどうしてなるの?」「ぎっくり腰のとき腰はどうなってる?」など、原因について気になっている方も多いでしょう。
この記事では、ぎっくり腰の原因や発症のきっかけ、応急処置の方法、治療・予防法までを詳しく解説します。
ぎっくり腰(急性腰痛症)とは

ぎっくり腰とは、突然腰に激痛が起こり動けなくなる状態を指します。
正式には「急性腰痛症」と呼ばれ、欧米では“魔女の一撃”とも例えられるほど突発的で強烈な痛みが特徴です。
主に以下のような症状が見られます。
- ビリッと電気が走るような鋭い痛みが走る
- 安静時もズキズキ痛む
- 前かがみになれない
- 寝返りが打てない
多くは1週間〜数週間で改善しますが、再発率が高いことで知られ、適切な処置をせずにいると、慢性腰痛へ移行してしまうリスクもあります。
また、椎間板ヘルニアや圧迫骨折といった他の原因が潜んでいるケースもあるため、注意が必要です。
ぎっくり腰の原因

ここでは、ぎっくり腰の発症の原因や痛みのメカニズムについて解説します。
発症のはっきりした原因が不明な「非特異的腰痛」の一種
腰痛を経験する人は多く、日本腰痛学会臨床研究委員会の『腰痛に関する全国調査報告書- 2023 年版 – 』によれば、現在までに治療を必要とするほどの腰痛を経験したことがある人は男性で43.9% 、女性で43.6%という結果が出ています。
腰痛は、痛みの原因が特定できる「特異的腰痛」と、痛みの原因がはっきりわからない「非特異的腰痛」の2つに大きく分けられ、腰痛全体の約85%を非特異的腰痛が占めています。
ぎっくり腰はこの非特異的腰痛の一種で、発症する詳しい原因や、身体の中で何が起こっているのかは、はっきりわかっていません。
さまざまな理由により、筋肉や靭帯、関節、椎間板などに負担がかかり、損傷を起こすことで痛みが起きると考えられています。
筋肉や靭帯の損傷などは画像に写らないため、レントゲン検査では特定できないことがほとんどです。
痛みが起こる原因・メカニズム
ぎっくり腰で痛みが起こる原因やメカニズムには、以下が関係していると考えられています。
- 腰を支える筋肉や靭帯に急激な負荷がかかり、断裂したことによる神経への刺激
- 椎骨の関節、関節包、椎間板(軟骨)などが傷ついたことによる、神経の圧迫
- 筋肉や靭帯、関節、椎間板などに負荷がかかることで起きた微小な損傷の蓄積
人によって原因は異なりますが、さまざまな原因が複数重なることで、激しい痛みになるのです。
ぎっくり腰のリスクを高める要因

ぎっくり腰は、年齢に関係なく誰でも起こる可能性がありますが、以下のようなリスク要因を持っている人は、ぎっくり腰になりやすい傾向にあります。
- 加齢(30代以降に発症が増える)
- 職業(肉体労働、中腰が多い仕事、長時間のデスクワークなど)
- 生活習慣(運動不足、姿勢が悪い、喫煙や飲酒習慣がある)
- 肥満気味、体重が増加した(腰に大きな負担がかかる)
- 姿勢が悪い、身体の柔軟性が低い
- 腰痛の既往歴がある
ぎっくり腰を発症するきっかけ

ぎっくり腰は突然の出来事のように見えますが、実は、日常的な動作や習慣などが関係しています。主なきっかけは以下の通りです。
- 急な動作
- 無理な動作
- 中腰の姿勢での動作
- 長時間同じ姿勢を続ける(筋肉疲労)
- 悪い姿勢
- 運動不足
- 疲れやストレス
それぞれ詳しく解説します。
急な動作
日常の何気ない動きが、ぎっくり腰の引き金となるケースは非常に多いです。
- くしゃみや咳をする
- 急に立ち上がる、振り向く
- 急に姿勢を変える、身体を捻る
- 布団やベッドから起き上がる、立ち上がる
- 洗顔で前かがみになる
例えば、上記はぎっくり腰の起きやすい動作です。
振り向くといった一瞬の動作でも、いきなり動かすと筋肉や靭帯が動きに対応できず、腰に大きな負担がかかり、筋肉や靭帯が損傷することがあります。
無理な動作
普段は行わないような動作や、無理な動きも発症のきっかけになります。
- 重い荷物を無理に持ち上げる
- 高いところから物を取ろうとして体を捻る
筋力が弱っている人や普段から運動不足の人は、特に注意が必要です。また、負担を減らすために、正しい身体の使い方を身につけることも有効です。
中腰の姿勢での動作
ぎっくり腰が起きる動作の共通点として見られるのが「中腰の姿勢」です。
「立ち上がろうとしたとき」「重い物を持ち上げようとしたとき」「洗顔で前かがみになる」など、中腰は椎間板に負担がかかりやすい状態です。
中腰が避けられない作業では、腰を曲げず膝を曲げてしゃがむように意識することが予防につながります。
長時間同じ姿勢を続ける(筋肉疲労)
デスクワークや長時間の立ち仕事のように、同じ姿勢を取り続けることは筋肉を硬直させ、血流を悪化させます。
この状態が続くと、腰の筋肉が疲労して柔軟性を失い、ちょっとした動きでも損傷を招いてしまうのです。
定期的に立ち上がってストレッチをしたり、正しい姿勢を意識することで筋肉の緊張を和らげることが大切です。
悪い姿勢
猫背や反り腰など、日常的に腰へ過剰な負担をかける悪い姿勢はぎっくり腰のリスクを高める要因です。
不自然な姿勢は、常に腰や背中に負担をかけることになります。
負担が蓄積されたところに、くしゃみや咳、重い物を持ち上げるなどがきっかけとなり、急激な痛みを引き起こすことがあります。
運動不足
運動不足によって筋力や柔軟性が低下していると、小さな動作でも筋肉や関節が損傷しやすくなります。
また、運動量が不足すると筋力が低下し、姿勢が崩れやすくなって、ぎっくり腰のリスクを高めます。
疲れやストレス
疲れやストレスも、ぎっくり腰のリスクに影響すると考えられています。
疲労が溜まると筋肉の柔軟性が低下し、損傷が起こりやすくなるためです。疲れ切った状態では、普段している動作であっても身体にかかる負担は大きくなります。
また、ストレスもぎっくり腰に影響していると考えられています。
厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳の『No.1 ストレスと腰痛』によれば、心理的ストレスのある状態で持ち上げ作業をすると、姿勢のバランスがわずかに乱れ、椎間板にかかる負担が増加するといいます。
ぎっくり腰になったときに自分でできる応急処置

ぎっくり腰は1週間〜数週間で改善することが多いものの、突然強烈な痛みに襲われ、動けなくなることも少なくありません。
ぎっくり腰を即効で治せるわけではありませんが、自分でできる適切な応急処置を知っておくと、つらい症状の緩和に役立つでしょう。
- 安静にする
- 市販薬の鎮痛剤や湿布薬を使う
- 寝る姿勢を工夫する
- 湯船に浸かる
ここでは、自宅でできる上記の応急処置の方法をそれぞれ詳しく紹介します。
安静にする
ぎっくり腰の痛みが強いときは、無理に動こうとせず、できるだけ腰に負担をかけない姿勢で安静にしましょう。
発症直後は痛みが強いため、腰に負担がかからず自分が楽な姿勢になり、ゆっくり深呼吸を繰り返して痛みを落ち着けます。
長時間同じ姿勢を続けると血行が悪くなり、筋肉が硬くなって回復が遅れる可能性があるため、痛みが出ない範囲で姿勢を変え、軽いストレッチなどを取り入れましょう。
ぎっくり腰を発症したばかりのときは炎症が強くなるため、無理はせずに身体を休めることが大切です。
ただし、過度な安静は筋力低下や血流悪化につながるため、安静は数日を目安にし、痛みが落ち着いたら少しずつ体を動かすようにしましょう。
市販薬の鎮痛剤や湿布薬を使う
自宅に市販の鎮痛剤や湿布薬があれば、活用することで、炎症を抑え痛みを一時的に軽減できる場合があります。
市販薬の鎮痛剤や湿布薬を使用する場合は、使い方や量を守り、普段飲んでいる薬があれば併用に注意して使いましょう。
なお、鎮痛剤や湿布薬は、あくまで一時的に症状を和らげる手段であり、根本的な治療はできません。長期間使用するのは避け、早めに専門家に相談しましょう。
寝る姿勢(寝方)を工夫する
ぎっくり腰の痛みは、姿勢によって大きく変わります。
寝るときは、姿勢に工夫することで腰への負担を軽減可能です。
- 仰向けの場合……膝下にクッションや丸めたタオルなどを置き、膝が90度くらいに曲がった状態にする
- 横向きの場合……痛む側を上にして横向きで膝を軽く曲げ、クッションや丸めたタオルなど膝に挟む
上記のような寝姿勢は腰への負担を減らせるため、ぜひ試してみてください。抱き枕があれば、抱いて寝るのもおすすめです。
湯船に浸かる
強い炎症が落ち着いたら、ぬるめのお湯に浸かることで血流を改善し、筋肉の強張りをほぐす効果、自律神経のバランスが整う効果などが期待できます。
ただし、患部が熱を持っている場合や腫れがある場合は、痛みが強くなる可能性があるため避けましょう。温めた方が痛みが楽になるようであれば、入浴を試してみてください。
ぎっくり腰は自力で治すことはできる?

ぎっくり腰の多くは、1週間〜数週間ほどで痛みが和らぎ、自然に回復していくといわれています。
しかし、これは適切な対処ができた場合です。
ぎっくり腰は発症したばかりは安静が必要なものの、動けるようになってきたら、できるかぎり普段通りの生活を心掛けた方が早期回復につながるとされています。
安静にすべきか、日常生活に戻れるよう身体を動かすべきか、患者さん自身では判断が難しいケースもあるため、早めに治したい場合や不安がある場合は、一度接骨院や整形外科などで相談するといいでしょう。
別の病気が隠れていることもあるため注意が必要
注意したいのが、「ぎっくり腰だと思っていたら、実は別の病気だった…」というケースです。
- 長引いてなかなか治らない
- ぎっくり腰を何度も繰り返す
- しびれや麻痺がある
- 排尿・排便障害がある、血尿がある
- 安静にしても痛みが治まらず悪化する
- 発熱や嘔吐などがある
腰痛以外にも上記のような症状がある場合、別の病気が原因となって腰痛が起こっている可能性があります。
例えば、尿管結石の痛みはぎっくり腰の痛みに似ているといわれています。
この他にも、椎間板ヘルニアや圧迫骨折、内科的な病気の可能性も考えられるため、安易に自己判断せず、症状が強い場合や長引く場合は必ず接骨院や整形外科などで専門家に相談しましょう。
ぎっくり腰の治し方・治療法

整形外科でのぎっくり腰の治療は主に湿布・内服薬の処方、神経ブロック注射、トリガーポイント注射、コルセット着用、リハビリテーション(理学療法)などが行われます。
整形外科が主に薬物療法を中心とする一方、接骨院では、柔道整復師が直接体に触れながら、手技を中心にアプローチを行います。
今ある痛みの改善だけでなく、身体の使い方や悪い癖などを見直すことで、ぎっくり腰を引き起こす原因の根本的な改善を目指せることが特徴です。
ぎっくり腰の予防法

ぎっくり腰は残念ながら繰り返す方が多く、再発を予防するためにはいくつかのポイントに注意することが大切です。
- ぎっくり腰になりやすい動作・姿勢を避ける
- 普段から適度に身体を動かす習慣をつける(筋力・柔軟性の向上)
- 長時間同じ姿勢でいた後の動き始めに急な動作をしない
- 疲れているときや睡眠不足のときに無理な動作をしない
中腰や前かがみ姿勢は腰に負担がかかるため、無理な動作を避けることがぎっくり腰予防に大切です。
特に仕事や家事で同じ姿勢を繰り返す場合には、こまめに休憩を取ったり、負担がかかりにくい姿勢を工夫したりすることで、腰への負担を減らせるでしょう。
また、筋肉は使わなければ衰え、柔軟性を失います。ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を取り入れて筋力や柔軟性を保ちましょう。
激しい運動は逆効果になることもあるため、無理なく続けられる範囲で日常生活に運動習慣を取り入れることが大切です。
まとめ
ぎっくり腰は、症状が軽ければ1週間〜数週間で改善することもありますが、誤ったケアや無理な動作により、悪化や再発を繰り返すことも少なくありません。
特に、ぎっくり腰を早く治したい場合や繰り返している場合は、一度接骨院や整形外科に足を運び、専門家に見てもらうことをおすすめします。
はっきりした原因が解明されていないぎっくり腰ですが、専門家であれば一人ひとりの身体の使い方や筋肉のバランスなどを見て、考えられる根本的な原因に効果的にアプローチ可能です。
つらい痛みを繰り返さないためにも、一度専門家に相談してみましょう。
『ひかる接骨院』では、一人ひとりの患者様の身体の状態をしっかりチェックし、「循環を良くする」「腰部以外の動きを作る」「動かせる状態を作る」「再発しない姿勢や動かし方を身体に覚えさせる」のように、段階的に改善に導きます。
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