筋肉が原因で膝が痛む?メカニズムや自宅でできる簡単トレーニング&ストレッチ
「階段を上り下りすると膝の痛みが強くなって大変」
「椅子から立ち上がる時に、膝にズキッとした痛みが走る」
「長時間歩くと膝がだるくなる」
このような症状に悩んでいませんか?
もし、レントゲンで異常がないのに痛みが続いている場合、その原因は膝を支える『筋肉の衰え』にあるかもしれません。
膝周りの筋肉は、関節を守る天然のサポーターです。
筋肉が衰えると膝に直接的な負担がかかり、痛みにつながる場合があります。
この記事では、なぜ筋肉が膝の痛みを引き起こすのか、その仕組みから、自宅でできるトレーニングやストレッチ方法まで、分かりやすく解説していきます。
筋肉の衰えが膝痛を引き起こすことがある

膝の関節は人体の中でも大きな関節の一つで、歩く、立つ、座るといった日常のあらゆる動作で体重を支えています。
膝の周りを覆うたくさんの筋肉は、天然のサポーターのように地面からの衝撃を吸収し、関節の負担を和らげています。
しかし、運動不足や加齢などによって筋力が低下すると、衝撃の吸収機能が弱まってしまうのです。
筋肉が衝撃を十分に吸収できない状態が続くと膝関節の軟骨や骨に負担がかかり、痛みが現れます。
レントゲンでは異常が見つからないにもかかわらず痛みが続く場合、筋肉が根本的な原因となっている可能性が考えられるでしょう。
膝痛の原因になりやすい主な筋肉

とくに膝の痛みに関わる主な筋肉は以下のとおりです。
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 前脛骨筋
- 内転筋・殿筋群
上記の筋肉はそれぞれ独立して働いているのではなく、互いに連携しあって膝の複雑な動きや衝撃の吸収を可能にしています。
そのため、どれか一つの筋肉が弱ったり硬くなったりするだけで全体のバランスが崩れ、膝への負担が増大してしまうのです。
それぞれの筋肉がどのような働きをしているのか、詳しく見ていきましょう。
大腿四頭筋
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももの前側を覆う大きな筋肉群です。
名前のとおり4つの筋肉で構成されており、主に膝を伸ばす際に使われます。
椅子から立ち上がったり、歩いたり、階段を上ったりする動作の要となる筋肉です。
大腿四頭筋の筋力が低下すると、膝関節をしっかりと支えられなくなり、衝撃の吸収力が下がったり膝のお皿(膝蓋骨)の動きが不安定になったりします。
その結果、膝に痛みが出る場合があります。
ハムストリングス
ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉群の総称です。
大腿四頭筋とは反対の役割をもち、主に膝を曲げる際に働きます。
大腿四頭筋とハムストリングスは、お互いに伸び縮みしながらバランスを取ることで、膝のなめらかな動きを生み出しています。
しかし、長時間座りっぱなしの生活などでハムストリングスが硬く縮こまってしまうと、膝の裏側や太ももの裏に突っ張るような痛みが生じることがあるのです。
前脛骨筋
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)は、すねにある筋肉です。
歩く時につま先を持ち上げ、地面に引っかからないようにする役割をもっています。
また、足裏のアーチを支え、着地時の衝撃を吸収する役割も担っています。
前脛骨筋が衰えると、歩行中につま先が引っかかるようになったり、足首が不安定になったりして、結果的に膝への負担が増加し、痛みの原因となることがあるのです。
内転筋・殿筋
内転筋は太ももの内側に、殿筋はお尻にある筋肉です。
内転筋や殿筋は、骨盤を安定させ、歩行時に体が左右にブレないように支える働きがあります。
とくにお尻の横にある中殿筋は、歩行中に片足で立っている時のバランスを保つために不可欠です。
これらの筋肉が弱ると、歩くたびに骨盤がグラグラと揺れ、膝が内側に入る『ニーイン』という状態になりやすくなります。
この動きが繰り返されることで、膝の内側に過度なストレスがかかり、痛みを引き起こす可能性があるのです。
筋肉での膝痛に見られる症状の特徴

筋肉が原因で起こる膝痛には、関節の軟骨や骨が原因の痛みとは異なり、いくつかの特徴的な症状が見られます。
動き始めや特定の動作で痛む
筋肉が原因の場合、じっとしている時にはあまり痛みを感じません。
その代わり、動き始めの一歩や、椅子からの立ち上がり、しゃがみ込み、階段の上り下りといった特定の動作で痛みが出やすい特徴があります。
押すと痛む場所がある
痛みの原因となっている筋肉や、骨と筋肉をつなぐ腱の部分を指で押してみると、痛む場合があります。
例えば、膝のお皿の少し上や、膝の内側の少し下など、特定の筋肉に沿って痛みを感じることが多いです。
軟骨や半月板などに異常をきたし、関節の内側が痛む場合は痛みの場所がぼんやりしていることが多いですが、筋肉が問題の場合は痛い場所がはっきりしていることが多いのです。
腫れや熱感が少ない
変形性膝関節症などが進行して関節内で強い炎症が起きている場合は、膝全体が腫れて熱っぽくなることがあります。
しかし、筋力や柔軟性の低下が主な原因である場合、このような明らかな腫れや熱感を伴うことは比較的少ない傾向があります。
膝痛の筋肉トレーニング方法

膝の痛みを和らげ、再発を予防するためには、膝を支える筋肉を鍛えることが大切です。
ここでは、膝に過度な負担をかけずに、自宅で行えるトレーニングを紹介します。
痛みがある時は無理をせず、できる範囲で毎日少しずつでも良いので、日常生活の習慣に組み込んでみましょう。
大腿四頭筋
膝の安定性を高めるために、太ももの前の筋肉を鍛えます。
- 椅子に深く腰掛け、背筋をまっすぐに伸ばす
- 片方の脚を、床と平行になるまでゆっくりと持ち上げて膝を伸ばしきる
- つま先を天井に向け、太ももの前に力が入っているのを意識しながら、その状態で5秒間キープする
- ゆっくりと脚を下ろし、元の姿勢に戻る
- 左右それぞれ10回を目安に繰り返す
上記を行う場合は、呼吸を止めずにリズミカルに行うのがポイントです。
中殿筋
歩行時の体のブレをなくし、膝への負担を軽減するお尻の筋肉を鍛えます。
- 体の側面を下にして、まっすぐ横になる
- 頭は腕で支え、下側の脚は軽く曲げておく
- 上側の脚は膝を伸ばしたまま、ゆっくりと真上に上げていく
- お尻の横の筋肉がキュッと硬くなるのを感じながら、床から10cmほどの高さで5秒間キープする
- 反動をつけずに、ゆっくりと脚を下ろす
- 左右それぞれ10回〜20回繰り返す
高く上げすぎるとお尻以外の筋肉も使ってしまうため、高さよりも丁寧な動きを意識してください。
内転筋
太ももの内側を強化し、O脚の進行抑制に役立つ可能性があり、膝の安定性を高めます。
- 椅子に座るか、床に仰向けに寝て両膝を立てる
- 両膝の間に、クッションや丸めたバスタオル、柔らかいボールなどを挟む
- 内ももに力を集中させ、挟んだものを5秒間かけてゆっくりと押しつぶすように力を入れる
- その後、ゆっくりと力を抜いてリラックスする
- 20回繰り返す
クッションやボールなどを押しつぶした後に戻す際も、ゆっくりと時間をかけて戻すことがポイントです。
膝痛の筋肉をほぐすストレッチ

トレーニングで筋肉を鍛えることと同時に、硬くなった筋肉をほぐして柔軟性を取り戻すことも大切です。
とくにお風呂上がりなど、体が温まっている時に行うとほぐれやすいです。
ストレッチを行う際は、呼吸を止めずにリラックスし、気持ちが良いと感じる範囲で伸ばしましょう。
大腿四頭筋のストレッチ
酷使され、筋肉が硬くなりやすい太ももの前側をしっかりと伸ばすことで、膝への負担を和らげます。
- 壁や椅子の背もたれに手をついて立つ
- 片方の足首を手でつかみ、かかとをお尻にゆっくりと引き寄せる
- 太ももの前側が心地よく伸びているのを感じながら、20~30秒間キープする
- 反対側の脚も同様に行う
痛みを感じるほど強く引っ張らず、気持ちが良いと感じる強さが最適です。
ハムストリングスのストレッチ
硬くなりやすい太ももの裏側を伸ばし、膝の動きをスムーズにします。
- 椅子に浅く腰掛け、片方の脚をまっすぐ前に伸ばす
- かかとは床につけ、つま先は天井に向ける
- 背筋を伸ばしたまま、骨盤から体を前に倒すようなイメージで、上体をゆっくりと前に傾けていく
- 太ももの裏側から膝裏にかけて、じんわりと伸びているのを感じながら30秒ほどキープする
- 反対側の脚も同様に行う
背中が丸まらないように注意することがポイントです。
膝が痛い時に避けるべき行動

膝に痛みがある時は、良かれと思ってやったことがかえって症状を悪化させてしまうことがあります。
痛みを長引かせないためにも、避けるべき行動を知っておきましょう。
痛みを我慢した長時間の歩行や運動
痛みは、体から「これ以上負担をかけないで」というサインです。
そのサインを無視して無理に歩き続けたり、運動をしたりすると、炎症が悪化するだけでなく、痛みをかばう不自然な体の使い方になります。
さらに腰や股関節など他の部位まで痛めてしまう恐れがあるため注意が必要です。
自己流の筋力トレーニングやストレッチ
インターネットやテレビで紹介されているトレーニングが、必ずしも自分の今の状態に合っているとは限りません。
痛みの原因を正しく理解しないまま自己流でトレーニングを行うと、特定の筋肉にばかり負担がかかり、かえって痛みを増強させてしまうことがあります。
とくに、痛みを我慢して無理やり伸ばすような過度なストレッチは禁物です。
もし、自分に合った正しいトレーニングやストレッチ方法を知りたい場合は、ひかる接骨院にご相談ください。
痛みが強い時の無理なマッサージ
筋肉が炎症を起こして熱を持っているようなときに、痛い部分を強く揉んだりマッサージしたりすると、炎症をさらに悪化させる可能性があります。
血流が過剰に促進されることで、腫れや痛みがひどくなることがあるためです。
膝に痛みがある時は、まず安静にしましょう。
まとめ
今回ご紹介したトレーニングやストレッチを日々の生活に少しずつ取り入れることで、膝周りの筋力を強化し、柔軟性を取り戻すことが期待できます。
しかし、セルフケアを続けても痛みが改善しない、あるいは痛みが強くなる場合は、自己判断で続けるのは危険です。
なぜ痛みが続くのか、本当にこの方法で合っているのか、そんな不安を感じているなら、一度ひかる接骨院にご相談ください。
ただ痛い場所を施術するのではなく、なぜ痛むのかという根本原因を追求したうえで施術します。
膝の痛みを放置して悪化してしまう前にぜひご来院ください。