交通事故の治療期間はいつまで?基本的な考え方と保険会社の打ち切りへの対処法
交通事故に遭い、ケガの治療を受けることになったとき、「いつまでが治療期間と認められるのだろう?」と疑問に思う方は少なくありません。
この治療期間がいつまでになるのかは、日常生活への影響はもちろん、最終的に受け取れる慰謝料の金額にも関わる大切なポイントです。
しかし、治療期間の数え方や、いつまで治療を続けるべきかについて、正しく理解している方は多くありません。
そこでこの記事では、以下を中心に解説します。
- 治療期間はいつからいつまでを指すのか
- ケガに対する治療はいつまで続けるべきか
- 治療期間と慰謝料との関係
- 治療期間中に打ち切りの連絡が合ったときの対処法
- 治療期間の終了後にやるべきこと
治療期間にまつわる疑問や不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
交通事故の治療期間はいつまでのことを指す?基本的な考え方と数え方

交通事故後の治療期間とはいつまでのことを指すのか、そしてケガの治療はいつまで続けるべきか、まずは基本的な考え方を理解しておきましょう。
自己判断で通院をやめてしまうと、後で不利益が生じることもあるため、ここで正しい知識を身につけることが大切です。
交通事故の治療期間は治療開始日から治療終了日まで
慰謝料などを計算するときに用いられる治療期間は、交通事故に遭った日ではなく、初めて病院で診察を受けた日(初診日)から数え始めます。
そして、医師が完治または症状固定と判断した日が治療の終了日となります。
例えば、9月10日に事故に遭い、同日に病院へ行って治療を開始し、12月20日に医師から症状固定と診断された場合、治療期間は9月10日から12月20日までということになります。
事故後は痛みを感じなくても、念のため早めに病院を受診することが重要です。
『治療期間』と『通院日数』の違い
治療期間と通院日数は、似ているようで意味が異なります。
この違いを理解しておくことは、慰謝料を計算するうえでとても大切になります。
具体的な違いは以下のとおりです。
- 治療期間:治療を開始した日から終了した日までの期間(例:4月1日から6月30日までの91日間)
- 通院日数:治療期間中に、実際に病院へ通って治療を受けた日数(例:治療期間91日間のうち、週2回通院して合計26日)
治療期間は連続した日数で、通院日数は実際に足を運んだ日数のことです。
どちらも慰謝料の金額を計算するときに使われる重要な要素となります。
ケガの治療は『完治』または『症状固定』まで続ける
交通事故の治療期間をきちんと確保し、適切な補償を受けるためには、医師が判断するまで治療を続けることが何よりも大切です。
そのため、ケガが『完治』したとき、または医師から『症状固定』の診断を受けたときにやめるようにしましょう。
症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと、医学的に判断された状態のことです。
症状固定については、痛みやしびれなどの症状が残っているものの、治療による効果が頭打ちになった状態をイメージすると分かりやすいでしょう。
大切なのは、自己判断で「もう痛くないから大丈夫だろう」と通院をやめてしまわないことです。
治療の終了は、必ず医師の判断に従いましょう。
交通事故によるケガ別の治療期間の目安

交通事故で負うケガの種類によって、治療にかかる期間は大きく異なります。
ここでは、代表的なケガの症状別に、治療期間の一般的な目安をご紹介します。
むちうちの治療期間:3ヶ月~6ヶ月程度
追突事故などで首に強い衝撃がかかることで起こる『むちうち(頸椎捻挫)』は、交通事故で非常に多いケガの一つです。
むちうちの治療期間は、症状の軽さにもよりますが、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度かかることが多くなっています。
レントゲンでは異常が見つかりにくく、痛みやしびれ、めまいといった症状が長く続くことも珍しくありません。
症状が重い場合には、6ヶ月以上の治療が必要になるケースもあります。
打撲の治療期間:1ヶ月程度
体を強く打ち付けることで起こる打撲の治療期間は、およそ1ヶ月程度が目安です。
軽い打撲であれば、数週間で痛みが引くこともあります。
ただし、「たかが打撲でしょ」と軽く考えず、事故後は必ず病院で診察を受けましょう。
見た目以上に体の内部が損傷している可能性や、全身を強く打っている場合は治療が長引くことも考えられるためです。
骨折の治療期間:6ヶ月以上かかることも
骨折をした場合の治療期間は、ケガの中でも長くなる傾向があり、少なくとも6ヶ月程度はかかると考えておきましょう。
骨がくっついた後も、元の機能を取り戻すためのリハビリが必要になるためです。
骨折した部位や折れ方、手術の有無によっては、治療期間が1年以上になることもあります。
焦らず、医師の指示に従ってじっくりと治療に専念することが大切です。
交通事故の治療期間の長さと慰謝料の関係

交通事故の治療期間は、被害者が受け取る『入通院慰謝料』の金額に影響します。
ここでは、治療期間と慰謝料の関わりについて、知っておくべき3つのポイントを解説します。
治療期間が長いほど入通院慰謝料は増えるのが原則
入通院慰謝料とは、交通事故によるケガの治療で、入院や通院が必要となった精神的な苦痛に対して支払われるお金です。
この慰謝料は、基本的に治療期間を基にして計算されます。
そのため、ケガが重く、治療期間が長くなればなるほど、精神的な苦痛も大きいと判断され、慰謝料の金額は高くなるのが一般的です。
適切な期間、きちんと治療を受けることは、体を治すためだけでなく、正当な補償を受けるためにも重要だといえるでしょう。
通院頻度が低いと慰謝料が減額される可能性
治療期間が長くても、実際に病院へ通っている回数が極端に少ないと、慰謝料が減額されてしまう可能性があります。
例えば、2ヶ月間の治療期間中に2〜3回しか通院していない場合、保険会社から「本当に治療が必要だったのか」「症状は軽かったのではないか」と判断されかねません。
その結果、慰謝料の計算において、実際の治療期間よりも短い期間で計算されてしまうことがあるのです。
医師の指示に従い、適切な頻度で通院を続けることが大切です。
慰謝料目的で治療期間を不必要に長引かせるのはNG
慰謝料が増えるからといって、もう治っているのに通院を続けたり、必要のない治療を受けたりすることはやめましょう。
このような行為は『漫然治療』とみなされ、保険会社から治療費の支払いを拒否されたり、慰謝料が認められなくなったりする原因になります。
治療はあくまでケガを治すためのものです。
医師が必要ないと判断したにもかかわらず通院を続けることは、結果的に自身の不利益につながります。
交通事故の治療期間中に保険会社から打ち切りを打診されたときの対処法

治療を続けている最中に、加害者側の保険会社から「治療費の支払いを来月で終了します」といった連絡が来ることがあります。
まだ症状があるのにもかかわらず、連絡がくることもあるのですが、なぜそのような連絡が来るのでしょうか。
ここでは、その理由と対処法について解説します。
なぜ保険会社は治療費の打ち切りを打診するのか
保険会社が治療費の打ち切りを打診する主な理由は、支払う保険金の額を少しでも抑えたいからです。
治療が長引けば、その分治療費や慰謝料の支払い額が増えていきます。
そのため、保険会社は自社の基準に基づき、「このケガなら、これくらいの期間で治るはずだ」と判断し、治療の終了を促してくるのです。
もちろん、不必要な治療を長期間続けることを防ぐという側面もありますが、被害者の症状を直接見ているわけではない保険会社の判断が、正しいとは限りません。
保険会社が目安にする『DMK136』とは?
保険会社が治療期間の目安として、社内で用いることがあるのが『DMK136』という言葉です。
それぞれのアルファベットと数字が示す意味は、以下のとおりです。
- D:打撲(Daboku)は1ヶ月
- M:むちうち(Muchiuchi)は3ヶ月
- K:骨折(Kossetsu)は6ヶ月
これはあくまで保険会社側の目安に過ぎず、法的な拘束力はないため治療をやめなければならないわけではありません。
治療終了を判断するのは保険会社ではなく医師
ここで何よりも理解しておいてもらいたいのは、治療を終了するかどうかを最終的に判断するのは、保険会社の担当者ではなく、医師である点です。
保険会社から治療費の打ち切りを告げられても、医師が「まだ治療が必要です」と判断しているのであれば、治療を続けるべきです。
保険会社の言葉に動揺して、安易に治療をやめてしまうことのないようにしましょう。
打ち切りを打診された後の具体的な対処手順
もし保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合、慌てずに次の手順で冷静に対応しましょう。
具体的な手順は、以下のとおりです。
- 主治医に治療継続の必要性を相談する
- 医師の意見をもとに保険会社へ治療費支払いの延長を交渉する
- 交渉がまとまらなければ健康保険などを利用して治療を続ける
- 立て替えた治療費は示談交渉の際に請求する
まずは、「保険会社から治療の終了を促されたのですが、まだ治療は必要でしょうか?」と主治医の意見を確認してください。
もし治療費を立て替える場合は、後から請求するために領収書は必ず保管しておいてください。
交通事故の治療期間が終了した後にやること

医師の診断により、ケガが完治または症状固定となり治療期間が終了したら、次は損害賠償の手続きへと進みます。
治療終了後の流れは、ケガが完治したか、後遺症が残ったかで異なります。
ケガが完治した場合:示談交渉を開始
ケガが完全に治り、後遺症も残らなかった場合は、損害額がすべて確定したことになります。
ここから、加害者側の保険会社との間で、具体的な賠償金額を決めるための示談交渉が始まります。
示談交渉では、治療期間にかかった治療費、通院のための交通費、仕事を休んだことによる減収(休業損害)、そして入通院慰謝料など、事故によって生じたすべての損害について話し合い、双方が合意すれば示談成立となります。
後遺症が残った場合:後遺障害等級認定を申請
一方、治療を続けたものの完治せず、症状固定と診断され後遺症が残ってしまった場合は、示談交渉の前に後遺障害等級認定という手続きを行います。
残った後遺症が、交通事故の後遺障害としてどのくらいの重さのものなのかを公的な機関に審査してもらい、等級(1級〜14級)を認定してもらう手続きです。
認定されると、入通院慰謝料とは別に、『後遺障害慰謝料』や『逸失利益(後遺障害がなければ将来得られたはずの収入)』を請求できるようになります。
交通事故のことで悩んだら弁護士への相談も検討

保険会社との交渉や複雑な手続きに、一人で対応することに不安を感じる方もいるでしょう。
そんなときは、交通事故問題の専門家である弁護士に相談することも一つの選択肢です。
保険会社との治療期間延長の交渉を任せられる
保険会社から治療費の打ち切りを打診された際、被害者本人に代わって交渉を行ってくれます。
法律と医学的な知識に基づき、医師の意見書などを効果的に活用しながら、治療の必要性を論理的に主張してくれます。
これにより、治療費支払いの期間が延長される可能性が高まります。
慰謝料を弁護士基準で請求できる可能性がある
交通事故の慰謝料を計算する基準には、3つの種類があります。
保険会社が提示してくる金額は、多くの場合、最も低い基準か、それに近いものです。
しかし弁護士が介入すると、『弁護士基準(裁判所基準)』という、過去の裁判例に基づいた高い水準で慰謝料を請求することが可能になります。
その結果、最終的に受け取れる慰謝料の額が、保険会社の当初の提示額から大きく増えるケースも少なくありません。
後遺障害等級認定のサポートが受けられる
後遺症が残った場合に行う後遺障害等級認定の手続きは、専門的な知識が必要で複雑です。
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の書き方について医師に適切なアドバイスを受けられたり、認定に有利となる資料をそろえたりと、適切な等級認定を受けられるように手厚くサポートしてくれます。
まとめ
交通事故の治療は、自己判断でやめずに医師が『完治』または『症状固定』と判断するまで続けることが基本となります。
治療期間は慰謝料の額にも大きく影響するため、医師の指示に従い、適切な頻度で通院することが大切です。
しかし、治療を続けていても痛みがなかなか取れない、「本当に良くなるのかな」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
ひかる接骨院では、痛みが続く根本原因を丁寧な問診や検査で徹底的に追求し、一人ひとりの状態に合わせた施術を行います。
交通事故後のつらい症状から一日でも早く解放されるように全力でサポートしますので、まずは一度ご相談ください。